子どもが多い沖縄、でも…進む少子化と向き合う。今こそ「シニア人材の活用」を

5月5日は「こどもの日」でした。
毎年この時期になると、総務省から子どもの人口に関する統計が発表されます。

2025年の統計によると、沖縄県内の15歳未満の子どもの割合は15.8%と、今年も全国トップ。全国平均の11.2%を大きく上回っています。

 とはいえその一方で、沖縄でも少子化の波は着実に進んでいます。
1972年(昭和47年)には33.4%あった子どもの割合が、今ではほぼ半分に減少。直近1年だけでも5,000人の減少がありました。

 

🧓「働きたいシニア」が増えている現実

そんな中、目を向けたいのがシニア層の就労ニーズです。
沖縄労働局の統計によれば、2024年9月時点で60歳以上の求職者が5,743人と過去最多を更新。求職者のうち20.2%(5人に1人以上)が60歳以上という状況になっています。

背景には、物価高や年金だけでは生活が苦しいという現実があり、再び働きたいと考える高齢の方が増えているのです。

 

沖縄県の求職者2割超が60歳以上 労働局が雇用を呼びかけ

 

 💡シニア人材の活用は、人手不足解消のカギ

若年層の採用が難しくなっている今、シニア層の活用は企業にとって有効な選択肢です。

✅ シニア雇用のメリット

  • 短時間勤務を希望する人が多く、柔軟なシフト制と相性が良い

  • 豊富な職務経験や接客スキルを持ち、教育係や補助的なポジションでも活躍

  • 60歳以上の雇用で最大60万円の助成金も活用可能

ハローワークでは那覇市・沖縄市・名護市などに「生涯現役支援窓口」が設けられ、シニア層の就職をサポートする体制も整っています。

 

🏢 国も後押し、「70歳まで働ける企業」への移行

厚生労働省は、2021年の法改正により「70歳まで働ける仕組み」の導入を企業の努力義務としました。
これは単なる雇用延長ではなく、フリーランス契約や起業支援、社会貢献活動などの選択肢も含めた新しい働き方を指しています。

👉 詳しくはこちら

 

▶高年齢者の雇用(厚生労働省)

 

このように、国も本腰を入れて「生涯現役社会」を推進している今、企業もその波に乗っておきたいところです。

 

✏️企業が今すぐ取り組める3ステップ

  1. 求人票や就業規則の見直し
     → 年齢不問や短時間勤務の選択肢を明記するだけで応募数が増えることも!

  2. 職場環境の整備
     → 体力や健康面に配慮した業務設計や設備導入

  3. 助成金の活用
     → 雇用促進・継続支援の制度を使えばコストを抑えて人材確保が可能

🌈まとめ:これからの沖縄に必要なのは「多世代が支え合う職場づくり」

「こどもの割合が全国一高い沖縄」
「働きたいシニアが増える沖縄」

この2つの事実は、一見逆行するように見えますが、企業にとっては人材の多様性を活かす好機でもあります。

子育て世代・若者・シニアが共に働ける柔軟な職場づくりを進めることこそが、今後の経営のカギになるのではないでしょうか。

 

 

📣 シニア雇用や制度整備でお困りの方へ
つばさ社会保険労務士事務所では、就業規則の見直しや助成金申請サポート、シニア活用の制度設計などもお手伝いしています。
初回相談無料ですので、お気軽にご相談ください!


このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

▶コラム: 私が社労士になった理由