こんにちは!つばさ社会保険労務士事務所の玉城翼です。毎年この時期になると算定基礎届の提出シーズンが到来しますね。今年も7月1日から10日までが提出期限となっており、多くの中小企業の皆さまからご相談をいただいております。
▲算定基礎届の記入・提出ガイドブック(日本年金機構)
📋 算定基礎届とは何か?基本をおさらい
算定基礎届は、健康保険・厚生年金保険の被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないよう、毎年1回行う重要な手続きです。4月から6月までの3カ月間に支払った賃金をもとに、9月から翌年8月まで適用される標準報酬月額を決定します。
この標準報酬月額は、保険料の計算だけでなく、将来受け取る年金額の計算基礎にもなる重要な数値です。そのため、正確な記入が求められています。
👥 短時間就労者(パートタイマー)の記入における注意点
近年、働き方の多様化により短時間就労者の方が増加しています。これらの方々の算定基礎届記入については、一般の被保険者とは異なるルールが適用されます。
短時間就労者の定義
短時間就労者とは、パートタイマー、アルバイト、契約社員、準社員、嘱託社員等の名称を問わず、正規社員より短時間の労働条件で勤務する方を指します。

🔢 年4回以上の賞与支給がある場合の対応
年間に4回以上賞与を支給する場合は、特別な計算方法が必要です。


算定方法
- 前年7月から当年6月までの1年間に支給した賞与の合計額を計算
- その合計額を12で除して月割り額を算出
- 月割り額を各月の報酬月額に加算して標準報酬月額を算定
記入時の注意点
- 算定基礎届の「9.その他」欄に賞与の支払月と月割り額を記載
- 通常の給与に賞与の月割り額を加えた金額を「合計」欄に記入
📝 実務担当者が注意すべきポイント
1. 提出期限の厳守
令和7年度は7月1日(火)から7月10日(木)まで。電子申請の活用をお勧めします。
2. 被保険者区分の確認
算定期間中に被保険者区分が変更になった場合は、各月の末日時点での区分に基づいて支払基礎日数を判定します。
3. 途中入社者への対応
給与の支払対象期間の途中から入社した場合、1カ月分の給与が支給されない月は算定対象から除外します。
🚀 効率的な事務処理のコツ
電子申請の活用
紙媒体での提出と比較して処理が早く、決定通知書も早期に受け取れます。積極的な活用をお勧めします。
事前準備の重要性
- 4月から6月の給与台帳の整理
- 現物給与の価額計算
- 被保険者区分の確認
💡 中小企業経営者の皆さまへ
算定基礎届は単なる事務手続きではありません。従業員の将来の年金額にも影響する重要な手続きです。正確な記入により、従業員の皆さまの社会保険給付を適正に確保できます。
また、標準報酬月額の決定は保険料負担にも直結するため、経営面での影響も考慮する必要があります。不明な点がございましたら、お気軽に専門家にご相談ください。
📞 お困りのことがございましたら
つばさ社会保険労務士事務所では、算定基礎届の作成代行から、日常の労務管理まで幅広くサポートしております。沖縄県内の中小企業の皆さまの労務課題解決に向けて、実務経験豊富な社会保険労務士・キャリアコンサルタントが親身になってご相談に応じます。
このコラムを書いている人

玉城 翼(たまき つばさ)
社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士
1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。
2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。
▶コラム: 私が社労士になった理由
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