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【法改正対応必須】沖縄の中小企業経営者必見!早めに準備すべきカスタマーハラスメント対策

みなさん、こんにちは!つばさ社会保険労務士事務所の玉城です。

重要なお知らせです! 2025年6月4日、カスハラ対策を雇用主に義務付ける法律が国会で可決・成立しました。労働施策総合推進法の改正により、労働者が1人でもいる事業主はカスハラ対策が義務化されます。

施行日は早ければ2026年10月頃の予定で、違反した事業主は報告徴求命令、助言、指導、勧告または公表の対象となります。つまり、すべての沖縄の中小企業にとって「待ったなし」の対応が必要になったということです。

今回は、法改正を踏まえて中小企業が今すぐ準備すべきカスハラ対策について、実務的な視点でお話しします。

 

📊 カスタマーハラスメントとは?7つの類型を知る

カスタマーハラスメントとは、顧客等からの業務の範囲や社会通念上相当と認められる程度を明らかに超える要求または行為のことです。

具体的な7つの類型

  1. 身体的攻撃型 
    殴る、蹴る、物を投げつけるなどの暴力行為
  2. 精神的攻撃・暴言型 
    侮辱的発言、人格否定、大声での恫喝
  3. 威嚇・脅迫型 
    危害を加える旨の発言、SNSへの悪質投稿をほのめかす行為
  4. 時間拘束・リピート型 
    長時間の拘束、同じ内容の苦情の繰り返し
  5. 権威型・不当要求型 👑
    地位を利用した要求、土下座等の人格を貶める行為の強要
  6. セクシャルハラスメント型 
    性的な発言や質問、不必要な身体的接触
  7. その他の迷惑行為 
    無断での録音・録画、個人情報の不当な要求

これらの類型を理解することで、どのような行為がカスハラに該当するかを判断できるようになります。

 

🎯 【法改正対応】中小企業が2026年10月頃までに準備すべき5つの対策

法的義務化を踏まえ、より実効性のある対策が求められます:

1. 明確な対応基準の設定

電話対応は最長30分同一内容の繰り返しは3回までなど、具体的な判断基準を設けましょう。これにより、現場スタッフが迷わず対応できます。

2. 段階的対応の徹底

  • 第1段階:丁寧な説明と理解を求める
  • 第2段階:不適切である旨を明確に伝える
  • 第3段階:対応の打ち切りを警告
  • 第4段階:対応を打ち切る

3. 記録・証拠保全の仕組み作り

すべての対応について詳細な記録を残し、可能な限り録音・録画等の客観的証拠を確保します。法的措置に発展する可能性も考慮した証拠保全が重要です。

4. 組織的対応の確立

個人判断ではなく、必ず組織として一貫した対応を行います。対応責任者を明確にし、複数名での対応を基本とすることで従業員の孤立を防げます。

5. 従業員ケアの充実

被害従業員のメンタルヘルスケアを継続的に実施し、相談しやすい環境づくりと心理的安全性を確保します。

 

⚖️ 【法改正のポイント】義務化で何が変わる?

📋 改正労働施策総合推進法の重要ポイント

対象企業:労働者が1人でもいる全ての事業主(規模不問)
義務内容:カスハラ対策を「雇用管理上の措置義務」として法的義務化
施行予定:2026年10月頃(早ければ)
罰則:報告徴求命令、助言、指導、勧告、公表

 

これまでは「望ましい」とされていた対策が、法的義務となったことで、対応の重要度が格段に上がりました。

 

🏢 沖縄の中小企業特有の課題と解決策

沖縄の中小企業では、大企業のような専門部署や豊富な人員配置が困難です。そこで以下の点を重視した対策をおすすめします:

  • 対応責任者の一本化:総務部長など明確な指揮命令系統を構築
  • 外部専門家との連携:社労士や弁護士との連携で対応限界を補完
  • 実務的な対応手順:現場で実際に使える具体的なマニュアル作成

📝 【義務化対応】就業規則・カスハラ対応規程の整備は必須

法的義務化により、カスハラ対策の明文化は必要となりました。以下の文書整備が求められます:

必要な文書類

  • カスタマーハラスメント対応規程の策定
  • 就業規則への明記(相談窓口、対応手順等)
  • 対応マニュアルの作成
  • 研修計画書の策定

これらの整備により、行政指導への対応根拠を確保し、従業員の安心感向上も図れます。

 

💪 継続的な改善で強い組織作り

カスハラ対策は一度整備すれば終わりではありません。定期的な見直しと効果検証を行い、研修・教育を継続することで、従業員が安心して働ける職場環境を維持できます。

 


🌺 最後に

2025年6月の法改正により、カスタマーハラスメント対策は法的義務となりました。これは単なるトラブル対応ではなく、従業員の尊厳を守り、健全な顧客関係を築くための重要な経営戦略です。

2026年10月までの準備期間を有効活用し、沖縄の美しい「ゆいまーる」の心を大切にしながら、適切な境界線を設けることで、お客様にも従業員にも愛される企業を目指しましょう。

 

 

🔗 法改正対応でお困りのことがございましたら、つばさ社会保険労務士事務所までお気軽にお声かけください。義務化に対応したカスハラ対策規程の作成から研修実施まで、2026年10月の施行に向けて沖縄の中小企業を全力でサポートいたします。

 

参考資料:行政相談における「業務の範囲や程度を明らかに超える苦情相談」への対応(総務省)


このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

▶コラム: 私が社労士になった理由