沖縄労働局より、令和7年(2025年)11月の労働市場の動きが発表されました。 「求人を出してもなかなか応募が来ない」「最近、周りの景気がどうなのか気になる」といった経営者様や、就職活動中の方に向けて、最新データをわかりやすく解説します。
結論からお伝えすると、沖縄の雇用情勢は「全体としては大きな変化はないものの、正社員を求める動きは底堅い」という状況です。詳しく見ていきましょう。
全体の動き:求人と求職のバランスは「横ばい」
もっとも基本的な指標である有効求人倍率(季節による変動をならした数値)は、1.08倍でした。これは前月と同じ数値です。
「1.08倍」というのは、お仕事を探している人1人に対して、約1.08件の求人がある状態を指します。仕事を探している人よりも、企業が出している求人の数の方がわずかに多い状況が続いています。
一方で、新しく出された求人を示す新規求人倍率は1.90倍となり、前の月より0.02ポイント下がりました。企業が新しく人を募集する勢いは、少し落ち着きを見せていると言えそうです。
正社員の求人は若干の増加傾向にあります
今回のデータで注目したいのは、正社員の求人動向です。 正社員の有効求人倍率(原数値)は0.80倍となり、去年の同じ月と比べて0.03ポイント上昇しました。
また、正社員として働ける求人の数(有効求人数)も、去年の同じ月より0.9%増えています。 全体の求人数が少し減っている中で、「長く安定して働いてくれる正社員を採用したい」と考える県内企業が増えていることが読み取れます。
求職者の方にとっては、正社員として就職・転職するチャンスが広がっていると言えるでしょう。企業側にとっては、正社員待遇を提示することで、より良い人材と出会える可能性が高まっています。
業界別の動き:運輸業が大きく伸び、サービス業は落ち着く
産業ごとの「新しい求人の数」を見ると、業界によって明暗が分かれています。
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運輸業・郵便業:去年の同じ月と比べて43.1%も増加しています。物流需要の高まりなどを受け、ドライバーや配送スタッフなどを強く求めているようです。
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建設業:0.5%減と、ほぼ横ばいです。
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卸売業・小売業:25.2%の減少となりました。
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生活関連サービス業・娯楽業:31.5%の減少です。
観光関連や小売業では、求人を出す動きが一服している様子が見られます。一方で、物を運ぶ仕事へのニーズは急激に高まっており、沖縄県内の人手不足の偏りが浮き彫りになっています。
採用担当者が今やるべきこと
求人の動きが少し落ち着いている今は、採用計画を見直す良い機会です。 「とりあえず求人を出しておこう」ではなく、「どんな人に来てほしいか」「その人にどんな条件(正社員化など)を提示できるか」をじっくり練り直すことで、採用の成功率は変わります。
特に、正社員求人が増えている今、契約社員やパートタイムでの募集で苦戦している場合は、思い切って正社員としての採用を検討するのも一つの手です。
まとめ
専門家がお答えします(Q&A)
Q. 有効求人倍率が「1倍」を超えているということは、誰でもすぐに就職できるということですか?
A. 必ずしもそうとは限りません。
数字上は求人数が上回っていますが、これは「仕事の種類」や「条件」のミスマッチ(食い違い)を含んだ全体の数字だからです。例えば、求職者が事務職を希望していても、求人の多くが建設や運輸であれば、就職は難しくなります。希望する職種の動向を個別に見ていくことが大切です。
Q. 小さな会社ですが、なかなか応募が来ません。給料を上げないとダメでしょうか?
A. お金だけが解決策ではありません。
もちろん賃金は大切ですが、求職者は「休みの取りやすさ」「職場の雰囲気」「正社員になれるか」なども重視しています。まずは現在の労働条件が法律を守れているか確認し、その上で「自社の魅力(働きやすさ)」を求人票でしっかり伝えられているか見直してみましょう。専門家と一緒に求人票を改善するだけで反応が変わることもあります。
| 指標(令和7年11月) | 数値 | 前月・前年との比較 |
|---|---|---|
| 有効求人倍率(季調値) | 1.08倍 | 前月と同じ(横ばい) |
| 新規求人倍率(季調値) | 1.90倍 | 0.02ポイント低下 |
| 正社員有効求人倍率 | 0.80倍 | 前年同月より0.03ポイント上昇 |
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このコラムを書いている人
玉城 翼(たまき つばさ)
社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士
沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。
2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。
▶コラム: 私が社労士になった理由



