令和8年度「労働保険年度更新」今すぐ確認すべき5つのポイント【沖縄の経営者様へ】

厚生労働省の画像

 

参考:厚生労働省 労働保険年度更新に係るお知らせ

 

観光業・飲食業・小売業が経済の中心を担う沖縄では、繁忙期に合わせたパートやアルバイトの雇用が年間を通じて活発に動きます。毎年6月になると、そんな慌ただしい現場運営と並行して必ずやってくるのが「労働保険の年度更新」です。

「昨年と同じようにやればいいはず」「担当者に任せておけば大丈夫」—そう思っていらっしゃる経営者様も少なくないかもしれません。しかし令和8年度の年度更新には、昨年までと異なる重要な変更点がいくつか含まれています。知らずに例年通りの対応をしてしまうと、意図せず手続き漏れや納付方法の誤りが生じる可能性があります。

私自身、相談をいただく中で「実は毎年ギリギリで焦っている」「ペイジーが使えなくなったことを知らなかった」とおっしゃる方に今年は特に多く出会っています。この記事では、令和8年度の年度更新について今すぐ確認しておきたい5つのポイントを整理します。


令和8年度「労働保険年度更新」の基本と今年の変更点

 

①申告・納付の受付期間は6月1日から7月10日まで

令和8年度の労働保険年度更新の受付期間は、6月1日(月)から7月10日(金)です。申告書は管轄の都道府県労働局や労働基準監督署への郵送のほか、電子申請でも受け付けており、窓口に直接出向かずに手続きを完了させることができます。

5月中に賃金データの整理を進めること自体は有効な準備ですが、申告書の受付はシステム上も窓口でも6月1日以降に限られます。5月は集計作業に専念し、6月1日以降に一気に申告を済ませるスケジュールが合理的です。

 

②7月10日を超えると追徴金が課される場合がある

申告・納付の期限(7月10日)を超過した場合、政府が保険料の額を一方的に決定する「認定決定」が行われ、追徴金(納付すべき保険料の10%相当)が課される場合があります。さらに、納付が遅れれば延滞金(年率9.1%、最初の2か月間は軽減措置あり)も発生します。

観光・飲食業が多い沖縄では繁忙期と年度更新の時期が重なる業種も少なくありません。忙しいからこそ手続きが後回しになりやすいですが、7月10日というデッドラインに例外はありません。余裕を持った準備をお勧めします。

 

③「現在は従業員がいない」場合でも提出が必要なケースがある

「今は人を雇っていないから更新は不要だ」とお考えになる経営者様もいらっしゃいます。しかし年度内に雇用する見込みがある場合や、事業を廃止して保険関係を清算する場合にも、申告書の提出は法的に義務づけられています。提出を行わなければ、雇用実態がなくても認定決定や追徴金の対象となり得ます。労働保険番号は、会社として継続的に管理すべき重要な情報です。

 

④口座振替を利用すると第1期の納付が最大59日後ろ倒しになる

口座振替を利用している事業場の第1期(全期)の納付日は、通常の7月10日から令和8年9月7日まで後ろ倒しになります。第2期は11月16日、第3期は令和9年2月15日です。約2か月間、手元に資金を留保できることはキャッシュフロー管理の面で有効な選択肢といえます。

 口座振替の利用には事前の申請が必要です。第2期から利用したい場合は8月14日が申込締切となっています。まだ申請されていない経営者様は、この機会に検討されてみてください。

 

⑤電子申請義務法人は封筒の形式が変わる・アクセスコードを活用する

電子申請が義務づけられている法人(資本金1億円超の法人等)は、令和8年度から紙の申告書の郵送が行われなくなります。代わりに、電子申請に必要な情報(アクセスコード等)を記載した通知書が定形郵便サイズの茶封筒で届きます。従来の緑・青の大判封筒とは外見が大きく異なるため、受け取った際に見落とさないようご注意ください。

 

なお、電子申請の際に申告書に印字されている8桁のアクセスコードを入力すると、前年度のデータや保険料率が自動的に反映されます。転記ミスを防ぐ上でも、電子申請の活用をお勧めします。ただし、都道府県をまたいで事業場を移転した場合はコードが無効になる場合がありますので、組織変更があった際は専門家にご確認ください。

 

 


まとめ:6月1日を迎える前に、今年の変更点を整理しておく

令和8年度の年度更新で特に押さえておきたい点をまとめると、受付期間は6月1日〜7月10日であること、ペイジーによる電子納付がすでに終了していること、電子申請義務法人は紙の申告書が届かなくなること、そして口座振替を未申請の場合はこのタイミングで検討する価値があること、という4点に集約されます。

 

「毎年なんとかこなしているが、本当にこれで合っているか自信がない」「担当者が変わって引き継ぎが不十分なまま時期を迎えそうだ」—そのようなお悩みをお持ちの経営者様・人事ご担当者様は、受付期間が始まる前に一度ご相談ください。申告書の作成確認から納付方法の変更対応・電子申請のサポートまで、状況に応じてご案内いたします。

 

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このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

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