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「カスタマーハラスメント防止措置の義務化」沖縄の企業が今から準備すべき対策とは

 

「お客様は神様」という言葉が、従業員を苦しめる状況になっていませんか? 2026年10月1日頃から(第87回労働政策審議会雇用環境・均等分科会資料より)、職場におけるカスタマーハラスメント(顧客等からのハラスメント)に関する防止措置が企業に義務化されます。沖縄県内でも、接客業や観光業を中心に顧客対応のトラブルは増加傾向にあります。本記事では、厚生労働省が示した最新の指針案をもとに、経営者や人事ご担当者が今から取り組むべき具体的な準備内容を解説いたします。この記事をお読みいただくことで、法改正への適切な対応方法と従業員を守る体制づくりのポイントが明確になります。


カスタマーハラスメント防止措置義務化の概要

 

職場におけるカスタマーハラスメントとは

職場におけるカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)とは、顧客や取引先、施設利用者などからの言動のうち、社会通念上許容される範囲を超えたものにより、従業員の就業環境が害されることを指します。

重要なのは、「顧客からの苦情すべてがカスハラに該当するわけではない」という点です。正当な申し入れや、障害のある方からの合理的配慮の求めは、カスハラには当たりません。

カスハラに該当する典型的な例としては、次のようなものがあります。

 

言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの

  • 性的な要求や従業員のプライバシーに関わる要求
  • 契約内容を著しく超えたサービスの提供要求
  • 不当な損害賠償要求

手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの

  • 暴行、傷害、物を投げつけるなどの身体的攻撃
  • 土下座の強要、人格否定、SNSへの悪評投稿をほのめかす脅迫
  • 大声で威圧する、長時間の居座りによる拘束

 

沖縄県内において、過度な要求により従業員が精神的苦痛を受け、休職に至った事例も実際に発生しています。

 

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義務化の背景と施行時期

令和7年11月17日に開催された労働政策審議会雇用環境・均等分科会において、カスハラ防止措置の施行期日を「令和8年(2026年)10月1日」とする案が提示されました。

この義務化は、労働施策総合推進法第33条に基づくもので、企業規模を問わず全ての事業主が対象となります。義務を怠った場合、厚生労働大臣による助言、指導、勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性があります。

沖縄県内においても、観光業、小売業、医療・福祉施設など、顧客と直接接する業種を中心に、早急な対応が求められます。

 


企業が講ずべき具体的な防止措置

 

方針の明確化と周知

企業はまず、「カスハラには毅然とした態度で対応し、従業員を保護する」旨の方針を明確にし、管理監督者を含む全従業員に周知しなければなりません。

この方針は、社内報、パンフレット、社内ホームページなどに掲載し、全従業員が確認できるようにすることが求められます。トップメッセージとして経営者自らが発信することも効果的です。

加えて、あらかじめ「カスハラへの対処の内容」を定めておく必要があります。対処内容の例としては、次のようなものがあります。

  • 従業員から管理監督者等へ直ちに報告し、指示を仰ぐこと
  • 可能な限り従業員を一人で対応させず、必要に応じて管理監督者等が代わって対応すること
  • 顧客等とのやり取りを録音・録画すること(個人情報保護法を遵守)
  • 暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については、警察へ通報すること
  • 現場対応が困難な場合は、本社・本部等へ情報共有を行い、指示を仰ぐこと

沖縄県内の小売業では、悪質な顧客からの長時間の拘束により、従業員が疲弊し業務に支障が出た事例がありました。こうした事態を防ぐため、具体的な対処手順をマニュアル化し、全従業員に周知することが重要です。

 

相談窓口の整備

企業は、従業員からの相談に適切に対応するため、相談窓口をあらかじめ定め、従業員に周知しなければなりません。

相談窓口の設置方法としては、次のような形態が考えられます。

  • 人事部門や総務部門に相談担当者を配置する
  • 管理監督者を相談窓口として明示する
  • 外部の専門機関(社労士事務所など)に相談対応を委託する

相談窓口の担当者は、相談内容や状況に応じて適切に対応できるよう、マニュアルの整備や研修の実施が必要です。また、カスハラが現実に生じている場合だけでなく、発生のおそれがある場合や、該当するか微妙な場合にも広く相談に対応することが求められます。

 

重要なのは、相談者のプライバシー保護です。相談内容は相談者の機微な個人情報を含む場合があるため、プライバシー保護のための措置を講じ、その旨を従業員に周知することが義務づけられています。

 

必須措置項目 具体的な対応内容 実施期限の目安
方針の明確化 カスハラに毅然と対応し従業員を保護する旨を文書化し、全従業員へ周知 2026年7月まで
対処内容の策定 報告手順、複数名対応、録音・録画、警察通報等の具体的対処方法をマニュアル化 2026年7月まで
相談窓口の設置 社内または外部に相談窓口を設け、担当者を明示し従業員へ周知 2026年8月まで
事後対応体制 事実関係の迅速な確認、被害者への配慮措置、再発防止策の実施体制構築 2026年9月まで
不利益取扱い禁止の明示 相談したことを理由に解雇等の不利益取扱いをしない旨を就業規則等に明記 2026年8月まで
   📄 参考情報: カスタマータマーハラスメント対策企業事例
他社の取組事例から学べ部事ができます。

 

2026年10月施行に向けた準備の進め方

 

就業規則・マニュアルの見直しポイント

施行日までに、就業規則や顧客対応マニュアルの見直しが必要です。

就業規則への追加事項

  • カスハラに関する企業の方針
  • 従業員の相談権と相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止
  • カスハラ行為者(他社の従業員等)に対する措置

顧客対応マニュアルへの追加事項

  • カスハラに該当する言動の具体例
  • 現場での対処手順(報告、複数名対応、録音・録画、警察通報等)
  • 相談窓口の連絡先

沖縄県内の企業においては、地域特有の商習慣や観光業における繁忙期の対応なども考慮し、実務に即したマニュアル整備が重要です。

加えて、特に悪質な事案(暴行、傷害、脅迫など犯罪に該当し得るもの)への対処方針もあらかじめ定め、従業員に周知することが求められます。警察への通報、警告文の発出、商品・サービス提供の拒否、出入り禁止措置などの対応を明確にしておくことで、従業員の安心感が高まります。


まとめ

2026年10月1日からのカスハラ防止措置義務化に向けて、企業が取り組むべき準備は多岐にわたります。重要なポイントは次の3点です。

  1. 方針の明確化と周知: カスハラに毅然と対応し従業員を保護する旨を全従業員に伝える
  2. 相談・対応体制の整備: 相談窓口の設置と具体的な対処手順のマニュアル化
  3. 就業規則等の見直し: 不利益取扱い禁止の明記と悪質事案への対処方針の策定

今日から始められる3つのステップ

 

  1. 現在の顧客対応マニュアルや就業規則を確認し、不足している項目を洗い出す
  2. 従業員へのアンケートやヒアリングを実施し、顧客対応で困っている実態を把握する
  3. 社会保険労務士等の専門家に相談し、自社に適した防止体制の構築を進める
   📞 無料相談のご予約
カスハラ防止体制の整備でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
初回相談は無料です。

このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

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