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沖縄の企業必見|副業・兼業解禁時の労働時間管理と通算ルール

 

働き方改革の推進により、副業・兼業を認める企業が増えています。貴社でも従業員から副業の相談を受けたことはありませんか? しかし「労働時間をどう管理すればいいのか」「法律違反にならないか不安」といったお悩みを抱える経営者様・人事ご担当者様が少なくありません。本記事では、副業・兼業時における労働時間通算の原則的な方法と、沖縄の企業が今すぐ取り組むべき実務対応を、具体的な事例を交えて解説いたします。

 

副業・兼業時代の到来と沖縄企業が直面する労働時間管理の課題

 

労働基準法における労働時間通算の基本原則

労働基準法では、労働時間は原則として1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないと定められています(法定労働時間)。これを超えて労働者を働かせる場合には、36協定(時間外・休日労働に関する労使協定)を締結し、労働基準監督署に届出を行う必要があります。

副業・兼業には、正社員やパート・アルバイトなど企業に雇用される形で行うものと、フリーランスなど自ら事業者として行うものがあります。労働基準法において、労働者が企業に雇用される形での副業・兼業を行った場合、労働時間を通算します。副業・兼業先の労働時間を自社の労働時間と合わせて、1週40時間または1日8時間を超える労働(法定外労働)に該当する場合には、36協定の締結、届出、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要になります。

なお、所定労働時間(事業場において定められた労働時間)を超えて労働させた場合(所定外労働)でも、1週、1日の労働時間数が法定労働時間以下であれば、法律上、36協定の締結、届出、割増賃金の支払いの義務は発生しません。

 

沖縄の企業で副業・兼業が増加している背景

沖縄県でも若年層の多様な働き方へのニーズから、副業・兼業を希望する労働者が増加しています。また、人手不足を補うための柔軟な働き方として、副業・兼業が注目されています。

企業としては、優秀な人材の確保や従業員の収入安定化、スキルアップの機会提供といったメリットがある一方で、適切な労務管理を行わなければ、長時間労働による健康被害や法令違反のリスクが生じます。副業・兼業を認める前に、労働時間管理の仕組みを整備することが不可欠です。

 

  

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厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の解説書です 。労働時間管理、健康管理、労災保険の取扱いなど、企業と労働者が安心して副業・兼業に取り組むための具体的な対応を示しています 。

   

 

労働時間通算の原則的な方法と実務上の具体的手順

 

所定労働時間と所定外労働時間の通算手順

使用者は、自らの事業場における労働時間制度を基に、自らの事業場における労働時間と、労働者からの申告等により把握した他の使用者の事業場における労働時間とを通算します。労働時間の通算は、原則的には以下の手順で行います。

 

手順①:所定労働時間の通算 先に契約をした方から、後に契約をした方の順に通算します。

手順②:所定外労働時間の通算 実際に所定外労働が行われる順に通算します。

 

通算の結果、1週40時間、1日8時間を超える労働(法定外労働)に該当する場合、36協定による労働時間の延長や、割増賃金の支払いが必要です。

 

例えば、県内のサービス業A社(先契約)で所定労働時間3時間、所定外労働3時間、小売業B社(後契約・副業先)で所定労働時間3時間、所定外労働2時間働いた場合を考えてみましょう。所定労働時間を契約順に通算すると6時間となります。さらに所定外労働を実際の労働順に通算すると、A社の所定外労働3時間のうち1時間も法定外労働に該当します。そして、B社の所定外労働2時間は法定外労働に該当します。この場合、A社とB社はそれぞれ、該当する法定外労働について36協定の締結、届出、割増賃金の支払いを行う必要があります。

 

36協定と割増賃金の適切な対応方法

法定外労働が発生する可能性がある場合、事前に36協定を締結し、労働基準監督署に届出を行う必要があります。36協定では、時間外労働をさせる業務の種類、労働者数、1日・1か月・1年あたりの時間外労働の上限などを定めます。

割増賃金については、法定外労働に該当する時間について、通常の賃金の25%以上の割増率で支払う必要があります。副業・兼業の場合、各使用者がそれぞれの事業場での法定外労働について割増賃金を支払う義務を負います。

 

沖縄県内の事例では、繁忙期に他の事業場でも勤務していた労働者について、労働時間通算を怠ったため、後から割増賃金の未払いが発覚し、遡及して支払いを行ったケースがありました。事前の適切な管理が、企業のリスク回避につながります。

 

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副業・兼業を認める前に整備すべき社内体制と予防策

 

届出制度の導入と労働者への周知方法

副業・兼業に伴う労務管理を適切に行うため、使用者は、副業・兼業の有無・内容を確認するための仕組みを設けておくことが望まれます。具体的には、就業規則に副業・兼業に関する規定を設け、届出制度を導入します。

届出には、副業・兼業先の事業場名、業務内容、所定労働時間、勤務日などの情報を含めます。これにより、使用者は労働時間を適切に通算し、法定外労働の有無を事前に把握することができます。

また、労働者に対して、副業・兼業を行う場合は必ず届出を行うよう、入社時のオリエンテーションや定期的な社内研修で周知することが重要です。届出がない場合でも労働時間の通算義務はありませんが、労働者が自己申告しやすい環境づくりに努めることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

トラブル予防のための就業規則の見直しポイント

副業・兼業を認める際は、就業規則の見直しが必須です。以下のポイントを確認しましょう。

  1. 副業・兼業の許可基準の明確化: どのような副業・兼業を認めるのか、許可制または届出制のいずれを採用するのかを明記します。競業避止義務や情報漏洩防止の観点から、一定の制限を設けることも検討します。
  2. 労働時間管理に関する規定: 副業・兼業先での労働時間を申告する義務、虚偽申告があった場合の懲戒処分などを定めます。
  3. 健康管理に関する配慮: 通算労働時間が過度に長くならないよう、産業医面談の実施基準や、必要に応じて副業・兼業の制限を行う旨を規定します。
  4. 遵守事項の明示: 本業に支障をきたさないこと、会社の信用を損なう行為をしないことなど、労働者が遵守すべき事項を明確にします。

沖縄の企業では、地域特有の行事や台風による休業など、柔軟な働き方が求められる場面が多くあります。副業・兼業を適切に管理することで、従業員の生活の安定と企業の持続的な成長の両立が可能になります。

今日から始められる3つのステップ:

 

  1. 就業規則に副業・兼業に関する規定があるか確認し、必要に応じて見直す
  2. 労働者に対して副業・兼業の届出制度を周知し、申告しやすい環境を整備する
  3. 労働時間管理の方法を社内で共有し、36協定の締結状況を確認する
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初回相談は無料です。

このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

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