▲分野横断的課題への対応の方向性(内閣官房:日本成長戦略本部事務局)※労働市場改革はP10より
2025年12月、第2回日本成長戦略会議にて労働市場改革の方向性が示されました 。これは、今の日本が抱えている深刻な人手不足という大きな課題に、国を挙げてどう立ち向かっていくかという大切なものです 。
特に、観光業やサービス業が中心で、働く人の確保が課題となっているここ沖縄にとっても、これからの経営を考える上で無視できない内容となっています。
仕事の効率を高めて「賃上げ」を支える
まず政府が強調しているのは、仕事の効率、つまり「労働生産性」を高めることです 。
現在、物価の上昇などに合わせてお給料を上げていくことが求められていますが、そのためには会社がしっかりとした利益を出す必要があります 。政府は、中小企業の皆さんが機械の導入や新しい設備への投資を行い、少ない人数でも効率よく仕事ができるように、政府全体で1兆円規模という非常に大きな枠組みで支援を行うとしています 。
「学び直し」で新しい活躍の場を作る
2つ目の柱は、新しい技能を身につけるための「学び直し(リスキリング)」の支援です 。
2026年度からは「全世代型リスキリング国民運動」という大きな取り組みも始まります 。沖縄の会社においても、従業員が新しいことに挑戦し、その成果がお給料のアップにつながるような、前向きな循環を作っていくことが、良い人材を確保し続ける鍵になります 。
3つ目の柱は、女性や高齢者など、もっと多くの人がそれぞれの希望に合わせて働ける環境を作ることです 。
労働市場の改革と聞くと難しく感じるかもしれませんが、その本質は「働く人が意欲を持って能力を発揮でき、会社もそれに応えることで共に成長していく」ということにあります 。
2026年に向けて、政府の支援策も新しくなっていきます。こうした情報を正しくキャッチし、自社の就業規則や働く環境を見直していくことは、一朝一夕にはいきませんが、これからの時代に「選ばれる会社」になるための大きな一歩となります。
専門家がお答えします(Q&A)
今後の改革や働き方のルールについて、経営者の皆様からよくいただく疑問にお答えします。
専門家がお答えします(Q&A)
Q. リスキリング(学び直し)を支援すると、従業員が転職してしまう心配はありませんか?
A. 確かに、新しいスキルを身につけた方が他の会社へ移る可能性はゼロではありません。しかし、統計的には転職によってお給料が増える方の割合も増えています。
大切なのは、学んだことを自社で活かせる場所を用意し、適切に評価する仕組みを作ることです。つまり、成長を応援してくれる会社だと感じてもらうことが、結果として良い人材の定着につながるということです。
Q. 中小企業ですが、36協定の結び方や活用について相談できるところはありますか?
A.政府の方針でも中小企業の36協定締結に向けた調査が行われることになっています 。
現在は働き方改革の総点検も行われており、2026年の夏に向けてより具体的な支援策が整理される予定です。専門家に相談することで、自社の業務に合った無理のない労働時間の管理方法を見つけることができます。
| 改革の方向性 | 注目の取り組み(2026年度以降) |
|---|---|
| 労働生産性の向上 | 政府全体で1兆円規模の成長・省力化投資支援 |
| 労働移動・学び直しの支援 | 全世代型リスキリング国民運動の展開 |
| 労働参加の確保 | 65歳超雇用推進助成金の拡充、女性活躍の支援 |
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このコラムを書いている人
玉城 翼(たまき つばさ)
社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士
沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。
2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。
▶コラム: 私が社労士になった理由



