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労災保険が大きく変わる!時効延長など会社が備えるべきポイント

2026年(令和8年)1月14日、これからの「労災保険(仕事中のケガや病気への補償)」をどうしていくか、という重要な案が国から発表されました。

沖縄県内でも、残念ながら仕事中の事故や、職場でのストレスによるメンタルヘルスの不調は増える傾向にあります。「うちは大丈夫」と思っていても、法律が変われば会社の守り方も変わります。

今回の見直し案は、働く人をより手厚く守る方向で動いています。経営者として「何が変わるのか」「どう備えればいいのか」を、専門用語を使わずにわかりやすくお話しします。

 

請求できる期間が「5年」に延びる可能性があります

今回の見直しで特に注目すべきなのが、「時効(じこう)」の延長です。

これまで、療養(治療費)や休業(休む期間の手当て)に関する給付を請求できる権利は、原則として「2年」で消えてしまいました。しかし、今回の案では、脳や心臓の病気、精神的な病気(うつ病など)については、この期間を「5年」に延ばそうとしています。

なぜなら、長時間労働やパワハラなどが原因の病気は、仕事との因果関係に気づくまでに時間がかかることが多いからです。

会社としては、退職してから数年後に「あれは労災だった」と請求されるケースが増えるかもしれません。だからこそ、日頃からの勤怠管理や、働きやすい職場づくりが、これまで以上に会社を守るカギになります。

 

「夫だから」という条件がなくなります

もう一つ大きな変化は「遺族への年金」です。

これまでの制度では、仕事が原因で亡くなった場合、遺された妻は年齢に関係なく年金を受け取れました。しかし、遺された夫の場合は「55歳以上」などの条件があり、男女で差がありました。

今回の見直し案では、この差をなくし、夫も妻と同じ条件で受け取れるようにする方針が示されました。共働き世帯が当たり前になった今、時代の変化に合わせた改正と言えます。

 

会社への通知が変わります

これまで、従業員が労災を申請して認定された場合、会社への通知が十分でないことがありました。今回の案では、電子申請をしている事業主に対して、支給が決まった(または不支給になった)事実をしっかりと知らせる仕組みを整えるとしています。

これにより、会社側も「どんな事故で労災が認められたのか」を早く把握でき、再発防止の対策をすぐに取れるようになります。

 

まとめ

専門家がお答えします(Q&A)

Q. この改正はいつから始まりますか?

A. まだ正式決定ではありません。
今回の発表は「建議(けんぎ)」といって、専門家会議からの「こうすべきだ」という提案です。これから法律の案が作られ、国会で審議されます。ただ、方向性は決まっているので、早めの情報収集が大切です。

Q. 労災が増えると保険料が上がると聞きました。本当ですか?

A. 規模によっては上がる可能性があります。
これを「メリット制」と呼びます。事故が多発すると保険料が上がり、少なければ下がる仕組みです。今回の見直しでもこの制度は継続される見込みです。つまり、安全な職場を作ることは、結果として保険料の負担を抑えることにもつながります。

Q. 過去の事故も5年前までさかのぼって請求されますか?

A. 詳細なルールはこれから決まります。
一般的に、法律が変わるときは「いつ発生した事故から適用するか」という経過措置が決められます。詳細が分かり次第、このコラムでもお知らせします。

改正項目(案) 会社への影響
請求時効の延長(2年→5年) 退職後の請求リスク増加。記録保存が重要に。
遺族年金の男女差解消 福利厚生としての重要性が増す。
兼業・副業等の適用拡大 多様な働き方に対応した管理が必要。

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このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

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