昨年、2025年は育児休業の制度にとって「改革の年」と言われるほど大きな変化がありました。ニュースなどで「育休中の手取りが10割になる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
これから赤ちゃんを迎えるご家庭にとって、この新しい制度を使えるかどうかは、家計にとって非常に大きなポイントになります。
「制度が始まったのは知っているけど、実際どういう仕組みなの?」 「私たちの場合は対象になるの?」
そんな疑問をお持ちのパパ・ママに向けて、すでにスタートしている「出生後休業支援給付金」の中身を、改めてわかりやすく解説します。記事の途中には、実際にいくらもらえるかを計算できるツールもご用意しました。
2025年から何が変わったの?
これまでの制度では、育児休業給付金はお給料の67%程度でした。 そこに、2025年から新しく「出生後休業支援給付金」という上乗せの給付が加わっています。
具体的には、従来の67%に加えて、さらに13%が上乗せされ、合計でお給料の80%が支給されるようになりました。
「80%だと、やっぱり減っているのでは?」と思うかもしれませんが、ここがポイントです。 育休中は、健康保険や厚生年金といった社会保険料が免除されます。さらに、この給付金には税金がかかりません。
お給料からは色々引かれていますが、給付金からは引かれないため、額面では80%でも、銀行口座に振り込まれる金額(手取り)で見ると、働いていた時とほぼ変わらない「実質100%」になるのです。この制度のおかげで、経済的な不安がかなり解消されるようになりました。
カギとなるのは「パパの14日間」
この手厚い給付金は、誰でも自動的にもらえるわけではありません。「男性の育児参加」が条件になっています。
赤ちゃんが生まれた直後の期間に、パパとママの両方が「14日以上」の育児休業を取ることが必要です。
以前は「どちらか一方が取ればよい」という形でしたが、今の制度は「夫婦ともに」育児のスタートラインに立つことを応援する仕組みです。沖縄でも、この制度が始まってから育休を取得する男性が少しずつ増えてきています。ぜひ職場で相談してみてください。
なお、ママが専業主婦であったり、配偶者が自営業などで雇用保険に入っていない場合は、パパ一人でもこの上乗せ給付を受け取れる特例があります。
いくらもらえる?かんたん試算ツール
「実際に私たちの場合はいくらもらえるの?」と気になりますよね。 厚生労働省がシミュレーションツールを公開しています。
ご自身の給与や出産予定日を入力するだけで、もらえる給付金の目安や、社会保険料がどれくらい免除されるかがわかります。
※この計算結果はあくまで目安であり、実際の支給額を保証するものではありません。個人の状況によって金額は変わりますので、参考としてご利用ください。
忘れてはいけない住民税の話
給付金で手取りが維持できるといっても、一つだけ注意してほしい点があります。それは「住民税」です。
住民税は「去年の収入」に対して計算され、遅れて請求が来ます。今年育休に入ってお給料がなくなっても、去年働いた分の住民税の支払いは続きます。
会社員の方は普段お給料から天引きされていますが、育休中はそれができなくなるため、自宅に届く納付書で支払うか、休む前に会社と相談して手続きをする必要があります。給付金が入っても、そこから住民税を支払う必要があることを忘れないように準備しておきましょう。
よくある質問
専門家がお答えします(Q&A)
Q. 夫の会社が忙しく、育休が取れるか不安です。取れないと給付金は増えないのでしょうか?
A. 基本的にはご夫婦での取得が条件です。
この制度は「夫婦で育児」を後押しする目的があるため、原則としてパパも14日以上の取得が必要です。ただ、親として育休を取ることは法律で認められた権利です。会社側も制度への理解が進んできていますので、早めに職場へ相談することをお勧めします。
Q. 妻が専業主婦の場合、夫である私は上乗せ給付をもらえますか?
A. はい、もらえる可能性が高いです。
配偶者が雇用保険に入っていない場合(専業主婦や自営業など)は、パパが単独で14日以上の育休を取ることで、上乗せ分の給付を受けることができる特例があります。申請には配偶者の状況を証明する書類などが必要になります。
| 制度の種類 | 支給される割合(目安) |
|---|---|
| これまでの育児休業給付金 | お給料の67% |
| 出生後休業支援給付金(条件あり) | お給料の80%(手取りで約10割) |
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このコラムを書いている人
玉城 翼(たまき つばさ)
社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士
沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。
2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。
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