外国人雇用が過去最多!失敗しない採用手順とルールの基本

沖縄県内では観光業の回復や建設需要の高まりに伴い、深刻な人手不足が続いています。「求人を出しても応募が来ない」とお悩みの経営者様も多いのではないでしょうか。

そのような中で、新たな担い手として注目されているのが外国人材です。沖縄労働局の最新のまとめによると、令和7年10月末時点で県内の外国人労働者数は20,354人となり、過去最多を更新しました。特にネパールやインドネシア、ベトナムといった国籍の方々が多く活躍しています。

しかし、外国人を雇用するには、日本人とは異なる手続きや法律の知識が必要です。ルールを知らずに採用してしまうと、知らぬ間に法律違反になってしまう恐れもあります。

今回は、沖縄で外国人を採用する際の流れと、絶対に押さえておくべきポイントについて、わかりやすく解説します。

 

沖縄で増え続ける外国人材の現状

沖縄県内では、宿泊業・飲食サービス業を中心に、卸売・小売業、建設業などで多くの外国人が働いています。かつては「留学生のアルバイト」が中心でしたが、現在は「専門的・技術的分野(技術・人文知識・国際業務など)」と呼ばれる、専門知識を持った正社員として働く方々が全体の約4割を占めるまでになりました。

これは、単なる「人手不足の穴埋め」ではなく、企業の戦力として、またグローバル化に対応するためのパートナーとして、外国人が期待されていることを示しています。

 

採用から受け入れまでの流れ

外国人を採用する際は、日本人よりも準備に時間がかかります。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 採用計画を立てる なぜ外国人を採用するのか、どのような業務を任せるのかを明確にします。業務内容によって、取得できる在留資格(ビザ)の種類が異なるためです。

  2. 募集と面接 ハローワークや専門学校、求人サイトなどを通じて募集を行います。面接では、日本語能力だけでなく、職務経歴や人柄、そして「在留カード」の確認が必須です。

  3. 雇用契約の締結 採用が決まったら、雇用契約書(労働条件通知書)を取り交わします。このとき、日本語だけでなく、相手の母国語や英語など、本人が理解できる言語で書かれたものを渡すことがトラブル防止につながります。

  4. 在留資格の申請・変更 留学生を採用する場合や、海外から呼び寄せる場合は、出入国在留管理局での手続きが必要です。許可が下りるまでに1〜3ヶ月かかることもあるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。

  5. 受け入れ準備と就労開始 住居の確保や、役所での転入手続きなどをサポートします。特に沖縄は電車がなく、バスや自転車、バイクでの通勤が主となるため、通勤手段の確保は重要です。

特に注意すべき3つのルール

外国人を雇用する上で、経営者が守らなければならない重要なルールがあります。

 

労働条件は日本人と同じにすること

国籍を理由に賃金を安くしたり、労働条件を悪くしたりすることは法律で禁止されています。最低賃金の遵守はもちろん、日本人従業員と同等の待遇が必要です。「外国人は安く雇える」という考えは間違いであり、絶対にあってはなりません。

社会保険・労働保険への加入

日本人と同様に、要件を満たす場合は雇用保険や健康保険、厚生年金保険への加入義務があります。「本人が入りたくないと言っているから」「保険料を節約したいから」といった理由は通用しません。正しく加入手続きを行うことが、会社と従業員の両方を守ることにつながります。

ハローワークへの届出義務

外国人を雇い入れた時と、離職した時は、必ずハローワークへ「外国人雇用状況届出書」を提出しなければなりません。これはすべての事業主に義務付けられています。

 

まとめ

専門家がお答えします(Q&A)

Q. 面接の時に、在留カードの何を確認すればよいですか?

A. 「在留資格の種類」と「在留期間(有効期限)」、そして裏面の「資格外活動許可欄」を必ず確認してください。
特に留学生をアルバイトとして雇う場合は、裏面に「許可」のスタンプがないと働かせることができません。また、カードが偽造されていないかどうかも慎重に確認する必要があります。

Q. 留学生のアルバイトは、何時間でも働かせることができますか?

A. いいえ、原則として「週28時間以内」という厳しい制限があります。
これを1分でも超えると不法就労となり、本人だけでなく雇用した会社側も処罰の対象となるため、シフト管理には十分な注意が必要です。ただし、学校の長期休業期間中は1日8時間まで働くことが認められています。

Q. 外国人従業員が退職して帰国することになりました。何か手続きは必要ですか?

A. はい、必要です。
ハローワークへの「雇用保険資格喪失届」と「外国人雇用状況届出書」の提出に加え、社会保険の喪失手続き、源泉徴収票の交付など、日本人と同様の退職手続きを行います。また、本人が入国管理局へ所属機関(会社)から離脱した旨を届け出るよう、案内してあげると親切です。

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このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

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